「うん、靴はあるね」 部活が終わった後、 俺は安藤先輩と共に、 3年の、神花先輩の靴箱を確認しに来ていた。 「教室も行ってみようか」 「はい」 赤い夕日だけに照らされる、暗い廊下。 すっかり低くなった気温と合わさり、 色んな意味で薄ら寒さを感じる。 本体よりも長い影が、廊下に伸びている。 「佐野君、こんな話を知ってるか?」 「こんな状況でも言うんですか……」 半ば呆れながらも、 先輩の話を聞きながら歩く。