神花先輩が消えた。 1冊のノートを残して。 3時間目の授業を終えて、 一番後ろの席だった彼女の席を 前の席の友人が振り返ると、 そこに彼女の姿はすでに無かったらしい。 普段から、 変わり者だとは言われていたし、 もう休み時間なのだから、 急いでどこかに行っただけで、 だけどすぐに帰ってくるだろう。 誰もがそう思った。 だけれど4時間目が始まっても、 昼休みに入っても、 午後の授業が始まり、 放課後になっても。 神花先輩の姿は、どこにもなかった。