「ああ、それだよ」 よかった、あったと微笑む先生に、 俺はそのペンを持ち、窓際へ寄った。 窓枠を乗り越えるのは、 ちょっと先生がするのもどうかと思うし。 やっぱり、起こされて良かった。 「はい、どう、ぞ……」 ペンを手渡そうと窓から身を乗り出した。 その時に、俺は気づいてしまった。 ……この教室、3階じゃん。 『夕方の教室でうたた寝をしていると、 時々、3-3の担任が、 窓から覗いているんだ。 それが例え、何階だったとしても、だ』