「それにほら、絵が見える?」
さっきの、キスしそうな2人の絵画。
その場所に、あの絵は無く。
代わりにあったのは、
2人の間にもう1人。
1人の頬に口づけている、3人の絵だった
すれ違う事もなく、
しかし2人が触れる事も変わらず無く。
……一体どこまで、嘘なのか。
そんな事、俺には解らないけど。
確かなのは、翌日
教室に突然やってきた神花先輩が、
俺の顔を見るなり……、
「君じゃ駄目ね」
そう言って、教室中を見渡し、
1人の女子を連れ出して行った。
彼女たちの行き先が、
きっと渡り廊下だろう事だけだった。