「お世話になりました」


紗英ちゃんと2人お礼を言って救護室を出て、学校へと向かった。


「でもホントその人に感謝だね〜!しかも駅員さんの話だとイケメンだったみたいだし、ちょっと会って見たかったね」

私の隣で妄想を膨らませる紗英ちゃん。

「ホント…なんか王子様みたい…」


「出たよ。梨杏の王子様発言!梨杏ってホント夢見心地だよね〜」


苦笑いを浮かべ紗英ちゃんに返す。

紗英ちゃんに呆れられるから口には出さないけど、きっと私だけの王子様がいるはずだもん!

今はまだその人に出会ってないだけだし!

でも、

本当にどんな人だったのかなぁ…