専属☆プリンス ―1st mission―

回想モードにおちてしまった私を那緒くんの視線が連れ戻してくれた。


まっすぐな熱い視線に目が反らせない――。


ボッと一瞬にして赤くなりうつむいた私を見て、クスリと笑った。

(相変わらず…いじめ甲斐があるな…)


…?…


今度は黙って繋がれた手にまたドキドキしつつ、私は那緒くんの歩く後を追いかけた。

「説明してやるよ。わけわかんねぇだろ?」


「うん…。」

状況が飲み込めてないけど那緒くんが居てくれることが、私に安心感を与えてくれた。

「とりあえず、梨杏のマンション行くぞ。」



当たり前のように前をずんずん歩く彼の背中を見つめた。

男の人…だなぁ。。

私の記憶よりたくましくなった那緒くん。


突然の再会だけど当たり前のように守ってくれた。

繋がれた手に、心臓が移動したみたい///…

どうしよう…ドキドキしてるのかバレちゃう。

こんな意味不明な状況下なのになんか私、不謹慎…。

那緒くんから微かにシトラスの香りが漂ってくる。

今日の出来事は、まだまだ序章に過ぎなかった事を、私達はわかっていなかった―――。