専属☆プリンス ―1st mission―




だいぶ走ったように感じる―。

息も絶え絶えになりながら、もつれそうになる脚をどうにか前に出す。


掴まれた腕が私をここまで引っ張ってくれた。


でも


もう限界…かも…。

私、運動あんまり得意じゃないんだった、特にマラソン。


「…ごめん…なさ…もう…ムリ……です…」


途端に彼がピタッっと止まる。



もういつの間にか日が暮れて、東の空から深い藍色の夜が訪れ始めている。


人通りの少ない路地を走ってきたから、ここがどこだかわからないよ。

「はぁ…はぁ、はぁ…」

私はその場にヘタリ込んだ。