『みんな…生き延びて…。雄太さん…ごめんなさい…。』



僕達は、海を潜っている人を誘導すべく、その前で輪を描いたりした。


「ついて来い…とでも?」

捜索のダイバーは、ノナ達の動きを見て、ついて行こうと決めたのだ。

そして、ノナ達親子の泳ぐ先の岩場に沈む遺体を見つけた。

それは…、最後まで防災無線を呼びかけた近澤だった…。



8月11日の夜。

東北の空に華が咲いた。

追悼と復興を願った花火でこの日、東北10ヶ所で計2万発が打ち上げられた。


沖からは、ノナ達も花火を見上げていた。