「確かに…台風より嫌な感じがする…。俺はここを離れる。」

一頭のお兄さんが、そう言って南に向けて泳ぎ始めた。

「今からじゃ、間に合わぬ。戻れ!」

オババの声だ。

でもお兄さんは…。

「ここよりは…安全なんだろ?それなら…。」

と、振り返ることなく言って消えて行った。