オババはどうやら、ねぐらに向かったみたいだった。

オババ…残るんだ…。

「ノナ、私達も残るよ。」

お母さんが厳しい口調で言った。

「えっ、危ないんでしょ?」

「あなたには…まだ、長距離の移動は無理だわ…。」

「そんな…、じゃあ、お母さんだけでも…。ほら、離れる人達が集まり始めたよ。」

「ノナ、子供を見捨てる親なんていないの…。あなたは私が守る…。」

お母さんの目を見て、僕は頷く事しかできなかった。


そうして、あの日が近づいてきていた…。