その日は兄の誕生日で、カタンへ行きたいという兄の希望でカタンへと来ていた。 ・・・その国には何もなかった。 兄は、この国は死んだのだと言っていた・・・ 私が生まれる数年前の戦争で滅んだのだと───────。 兄の瞳はどこか、遠くを見ていた。 『ミリア!!』 泣きながらしばらく歩いていると自分の名を呼ぶ兄の姿が目に入って、その腕の中に飛び込んだ。 『兄さま!!』 『心配したんだぞ!!』 『ごめんなさい』そう言おうとしたが、言葉が声にはならなかった。