優花を見ると、丁度優花と視線がぶつかった。
優花は必死に何かをあたしに話しかけている。
口をパクパクと、まるで鯉のように。


な…ん…ば…ん…?
ああ、何番かってか。


手で”4”を作って優花に見せる。
すると優花はあたしの手と、黒板に書かれた座席表と、自分のくじを1つずつ見ていた。

周りはザワザワと勝手に喋っている。
担任も寝てる。

…喋っていっか。


「優花なんばーん?」


大きな声で、優花に問いかけた。


「菫4番やんなぁー!?」


負けじと優花も大きな声を出す。


「そうやでー! 優花はー?」

「うち6番ー!」


黒板を見た。
6番の席は…4番の後ろ。
あたしの後ろの席だ。