桜は花の尤(ユウ)成るもの



私は大きな疑問を抱えながら
いつもの着物と長い髪を結う
のではなく、高い位置で一つ
に束ね武家屋敷に向かった。

(私は髪を結い上げるのが
小さな時から苦手なよう
である。)



「「今回皆様方に御集まり
頂いたのは.昨日御家の馬が
死んだ件である。
皆様方の罪は兼がね疑って
いるという訳ではない。
我々は何故女子(オナゴ)が
消えてしまったのか、という
事が不思議でたまらぬ。
とお方様が言っておられる
ゆえに、そなた達をこの御家に
お集め申した次第である。」」


ここで御裁きを受けるのでは
無いと知り.私の緊張はようやく
解かれた。

と、同時に周りを見渡す余裕
ができた。



「…ありえない..」

そこにいた女子達は、
何とも父上がおっしゃった
通りの恰好(カッコウ)を
していたのだ。