夕夏さんはそう言うと、私の背後にまわり、私の首にネックレスをつけ始めた。ちょっと待て、このシチュエーション!夕夏さんのようなイケメンがそんなしてくれると、緊張感ハンパないんですけど!心臓の鼓動が夕夏さんにも聞こえそうだ。
「って少女漫画か!」
「え?」
夕夏さんが不思議そうにこちらを見る。無意識に突っ込んでしまった・・・!
落ち着け自分。状況を把握しろ!
「あのー、夕夏さん。さっきの話・・・コクリョウボウエイブ?」
「だから、その話はあとでしますから、待ってて下さい」
「・・・すみません」
夕夏さんに言われると、何かへこむ。
って少女漫画か!!―2回も自分に突っ込んでしまった。
しどろもどろしていると、夕夏さんはネックレスをつけ終わってくれたようで、また、私の前へと来た。
「似合ってますよ。真海さん」
「あ、ありがとう・・ござい・・ます」
私のときめきを見事にスルーすると、夕夏さんは海を眺め、言った。
「では、行きましょうか」
「何処に!?」
にこっと天使のような笑顔で夕夏さんは海を指差した。
「国領防衛部署の基地ですよ」
「う、海じゃないですか」
「ええ。だって海の中にありますから」
「はっ!?」
「では、私につかまっていてくださいね。少々怖いですよ」
そう言って、何も説明してくれないまま、夕夏さんは私の手を握ると、海にダイブした。
ばっちゃーん、と派手に水しぶきが上がった。