「二人も魔法使いだからに決まっているだろう」

今まで黙っていた学園長が口を開いた。

「二人ともこの学園の卒業生だ」

それを聞いた莉人は驚愕の表情を浮かべる。

「ほ、本当なのか!?」

莉人は目の前にいる母親の肩を揺さぶった。

「…………」

母親は何も言わず、静かに頷く。

「驚きついでにもう一つ教えてやる」

その様子を見ていた学園長はさらに衝撃的な事実を告げた。

「夏木夫妻はお前の本当の両親ではない。お前の持っている平凡な記憶は作り物だ」

相当ショックだったのか、あまりに衝撃すぎて理解できていないのか、莉人はそのまま黙ってしまった。

「……私達も嘘を吐き続けるのは辛かった」

「だが、君を護るためには仕方なかったんだ。許して欲しい」

両親は衝撃の事実をあっさりと認め、深々と頭を下げた。