「拘束せよ！『ライトニング・ケージ』」

負傷しながらも手を伸ばし倫縷の魔法発動を阻止するための魔法を放った。

「っ！！」

倫縷は京一が作り出した雷の檻に捕らわれた。そのせいで魔法のコントロールを失い、ほぼ完成していた魔法は標的とは全く違う方向へ放たれてしまった。

それも最悪なことに、観客達がいる方向へ。

「危ないっ！」

京一は叫びながら防御系の魔法を唱え始めた。もちろん魔法を放った張本人である倫縷も唱える。

「夏木さん！」

「莉人逃げてッ！！」

「莉人！！」

放たれた魔法は真っ直ぐに莉人を捉えていた。

近くにいた紗奈、心優、壱夜も叫ぶが、魔法はもう莉人の目の前まで迫っていた。

「っ！！」

莉人は逃げることもできず、恐怖心から目を瞑り顔を逸らした。