光が京一の右肩に触れた瞬間、花開いた。光は10倍ほどに膨れ上がり、そこにできた空間はすべてを飲み込もうとしていた。

「チッ!!」

京一は慌てて光から離れるが、右肩からは血が流れていた。

右肩を押さえたまま魔法を発動させる。

「『シールド』!!」

京一を取り囲むように光が出現し、黒い光の侵入を拒んだ。

しかし、僅かに倫縷の方が上回っているらしく、京一が作り出した光の壁はすでに揺らぎ始めていた。

「マジかよ!?」

「手を抜くからですよ」

京一が苦悶の表情を浮かべているのに対して、倫縷は余裕があり、新たに魔法を発動させようとしていた。

「させるかよっ!」

倫縷の動きを見た京一は、自分にかけた防御魔法を解き、ヴァニッシュ・フロウの術範囲から抜け出そうと走り出した。

途中、いくつかの光に触れ傷を負っていくが、その足が止まることはない。