制服は、白で縁取られた黒のブレザーに、真っ白なブラウスに、藤色のネクタイ、そして灰色のスカート。

「へー、シックな制服だな」

莉人はそう言いながら着替え始めた。





「ふー。こんなもんかな」

制服を身に付け終わった莉人は鏡の前でチェックしていた。

莉人は「上出来!」と呟いたが、藤色のネクタイは見るも無惨な状態になっている。

「さて、まずは朝食だな」

コンコンコンッ。

「リーヒートー」

着替え終わり一息ついていたとき、部屋にノック音とともに心優の声が響いた。

「ん?心優?」

莉人はドアに駆け寄り扉を開けた。

「おはよう、莉人!一緒に食堂行こう?」

扉の向こうには満面の笑みの心優が立っていた。

「おはよ、心優。ちょうど今それを考えていたところだ」

莉人も微笑みながら返した。

「もう準備は出来てるみたいだね。じゃあ行こッ!」

「あ、あぁ……」

莉人は心優に手を引かれ食堂へと歩きだした。

心優は少々強引なところがある気がすると、莉人は繋がれた手を見つめながら考えていた。