穏やかな光が差し込む中庭。
そこに二人の少年と一人の少女がいた。

あたしは彼らのもとへ歩いていく。

『お!今日も来たか、ちびっこ!』

―……………………―

少年がニカッと笑いかけてきたが、反応を示さずただ彼をジーッと見つめた。そのためか彼がたじろぐ。

『な、なんかちっちゃいカリスみたいだな』

『……どういう意味かしら?タイスケ』

まるで不服とでも言うようにカリスがタイスケに詰め寄る。

『いや、それは言葉のあやというか……』

『へぇー』

『ま、待った!魔法はやめっ!ぐあっ!!』

タイスケの断末魔が響く。

『相変わらずアイツは学習能力ないな』

隣にいたもう一人の少年が柔らかい笑みを向けてきた。





あたしはこの空間が大好きだった。

穏やかで、楽しくて……。

ここにいる間は過去のことを忘れられた。

この瞬間で止めてしまえたらどんなに幸せだろう。

そうすればもう誰も傷付けずにすむ。



あたしは何故存在してしまったのだろう……。