永久の灯火†久遠の祈り

その頃、森の中では二人の男女が道に迷っていた。

二十歳前後の男と、十五・六歳の少女である。

黙々と歩く男に対し、少女は今にも座り込んでしまいそうな雰囲気だ。

「ゼェーロォー」

少女が前を歩く男に呼び掛けた。

「何ですか」

男は振り向かずに答える。

「疲れたぁー」

「そうですか」

「ちょっとぉ、それだけぇ?」

男の素っ気ない態度に少女が立ち止まってブーイングをする。男は溜め息を吐きながら振り返った。

「そもそもぉ、あたし女の子なんだよぉ?体力的についてけるわけないじゃんッ!」

少女はそのまま座り込んでしまった。

「よく言いますよ。森に入った直後に『あたしについてこいッ!』って意気込んでたのはどこのどなたです?」

男も少女の隣に腰を下ろす。

「もう!ゼロの減らず口ッ!!」

「ユノの台詞じゃないですね」

「なんだとぉ!!」

少女・ユノが男・ゼロをポカポカと殴る。だが、ゼロには全く効いていない。

「このでっかいだけの役立たずめッ!」

ユノがゼロに向かってビシッと指をさす。

「そうですね」

ゼロは特に気にする様子もなく、ユノの指を下げさせた。

「あッ!認めたなぁ!!」



「!!」

その時二人が何かに反応した。