男は唇を噛み締めた。
出来れば彼女とは戦いたくない。
だが――――
「カリス」
男が戦闘体勢をとろうと構えたところに凛とした声が響いた。
その声で集中力を乱した女性の手から光が消えた。
「……『崇高なる双翼』はどうしたの?」
戦闘を邪魔された女性は眉をひそめながら帰ってきた相棒に問いかけた。
「取り逃がした」
その言葉で眉間のしわが更に寄る。
「アタラクシアが近くにいる」
「アタラクシアが……?」
相方が頷くと女性は大きく息を吐いた。
「今日のところは退くわ」
そう言うと女性は再び仮面を着けた。
「でも忘れないで。我々は必ずあの子を殺す。ユグドラシルは再生させない」
女性がそう言うと二人はローブを翻し、姿を消した。
「また会いましょう、タイスケ」
姿が消えたあとに、彼女の声だけが響いた。
「カリス……」
一人取り残された男は小さく彼女の名前を呟いた。
出来れば彼女とは戦いたくない。
だが――――
「カリス」
男が戦闘体勢をとろうと構えたところに凛とした声が響いた。
その声で集中力を乱した女性の手から光が消えた。
「……『崇高なる双翼』はどうしたの?」
戦闘を邪魔された女性は眉をひそめながら帰ってきた相棒に問いかけた。
「取り逃がした」
その言葉で眉間のしわが更に寄る。
「アタラクシアが近くにいる」
「アタラクシアが……?」
相方が頷くと女性は大きく息を吐いた。
「今日のところは退くわ」
そう言うと女性は再び仮面を着けた。
「でも忘れないで。我々は必ずあの子を殺す。ユグドラシルは再生させない」
女性がそう言うと二人はローブを翻し、姿を消した。
「また会いましょう、タイスケ」
姿が消えたあとに、彼女の声だけが響いた。
「カリス……」
一人取り残された男は小さく彼女の名前を呟いた。


