永久の灯火†久遠の祈り

時間は少し遡り、アクイラが主人の命で学園へ向けて飛び去った直後。

足止めのために残った男と、黒い二人組。

「さて、やりますか」

男が腕を組み二人の前に立ちはだかった。

二人組は顔を見合わせ頷き合うと、片方が消えた。

「なッ!!早速かよッ!足止めの意味ねー……」

男はガックリと肩を落とした。

「貴方の相手は私一人で十分よ」

仮面の奥から声が聞こえた。声からして女性だろう。

「お前ッ!!」

男は声を聞いた途端目を見開き過剰に反応した。

「驚くことかしら。私は貴族の出身よ。忘れた?」

男と対面している黒いローブの者が仮面を外した。

彼女は男がよく知っている女性だった。学生時代を共に過ごした仲間。

「……お前は、人間との共存を望んでいたんじゃなかったのか?」

男は変わってしまった女性に問いかけた。昔と変わらぬ考えであることを願って。

しかし返ってきたのは残酷な現実だった。

「人間などこの世界にはいらない。……だから、あの子を殺して、人間を滅ぼす!」

女性が手を前に翳すと光が集結し始めた。