永久の灯火†久遠の祈り

「スウコウなる……ソウヨク……」

鸚鵡のように繰り返す。


何故だろう。

胸の鼓動が速くなる。

頭の中に警鐘が響く。



昔、誰かが――――





『莉人様』

「あ、何?」

頭の中に渦巻くものを慌てて振り払った。

『彼のものを振り切ります。しっかりとお掴まりください』

「う、うん」

莉人は近くの羽根を豪快に握り締めた。

アクイラが急に加速する。

「逃がすものか」

黒いローブの人が追いかけてくる。

負けじとアクイラの速度が上がる。

吹き付ける風に息苦しさを覚えながら、さっきの人の言葉を反芻していた。





――崇高なる双翼――


確かに聞いたんだ。

彼女がそう言ったのを。





!!

「彼女って誰だ!?」

莉人は不意に浮かんだ言葉に自分で突っ込みをいれた。

『えっ!?』

「ぅわッ!!」



一瞬だった。

莉人の不意打ちにアクイラがバランスを崩し、その衝撃で空中に投げ出された。