―あたしは、生きていて良いの?―

目の前の女性に尋ねた。

彼女の藍色の瞳が微かに揺れる。

彼女はあたしと目線の高さを合わせるように腰を落とし、肩を掴んだ。

『確かにお前の存在は争いを生む。だが、お前がいなければより多くの犠牲を生むことになる』

彼女の切なげな表情を見たら何も言えなかった。

『莉人……』

名前を呼ばれた直後彼女に抱き締められた。

『お前達が犠牲にならなくても良い方法がきっとあるはずだ』

そう言うと彼女はさらに強く抱き締めた。

『それまでは全てを忘れ、しばしの自由を堪能してくると良い』

その言葉を聞いた後、あたしは闇の中に堕ちた。