永久の灯火†久遠の祈り

「な、何!?」

莉人は改めて自分の周りを見た。羽根のようなものが無数にある。横を見ると、先の方に頭と嘴のようなものが見える。

「……鳥?」

「アクイラ。セイレイだ」

男は近寄ってきて、鳥の頭を撫でた。

どうやら莉人はアクイラという鳥の背に乗っているらしい。

「せーれー?」

莉人が首を傾げるが、男からの返答はない。

「本当に忘れてるんだな……」

男は莉人に聞こえないように小さく呟いた。それに莉人が反応する。

「何?」

「いや、何でもない」

男は首を横に振った。

「アクイラ、学園まで死守だ」

男が鳥に触れながら言った。

『御意』

「うわッ!喋った!!」

莉人が飛び上がる勢いで驚いた。

「落ちるなよ」

男が微笑みながら莉人の頭を撫でた。

「あんたは一緒に来ないの?」

「あいつらの足止め役が必要だからな」

男が後ろを指す。

その先には黒いローブを身に纏った二人組。

「大人しくその少女を渡せば危害を加えるつもりはない」

「人ん家消しといてよく言うよ」

莉人が毒づく。

「アクイラ、行け!」

「ちょッ、まだ文句が!!」

まだ言い足りない莉人を無理矢理遠ざける。

アクイラは男の命令通り学園へ向けて飛び始めた。