「あー。
やっぱり緊張すんな。」
「保護者の数
ハンパナイでしょ〜
あっ始まる。」
ーこれから卒業会を始めます。ー
優香の言葉で拍手が沸く。
始まったんだ。
自分・裕や友達の
スピーチを聞いて
いよいよ自分の伴奏がくる。
(どうしよう…。
手が震えてる。)
そんなとき
裕があたしの顔を覗いて
耳にコソッと言った。
「美月なら楽勝っしょ!!」
ビックリして
裕と目が合う。
裕がニカッと笑って
一気に肩の力が
不思議な程抜けた。
(裕、ありがとう。)
椅子に座り、
指揮の綾と一緒に始める。
リラックスできて弾けたのも
裕がいたからだと思う。
パチパチパチパチ…
無事卒業会は終了。
合奏も完璧にできた。

