Mind of ice

意識がないセリアを奥の部屋にあるベッドに寝かせてから、デイルはこの事についてリーナに問てみた。
その答えは自分の理解能力を越えていた。

｢セリアさんは遥か昔、魔導師狩りで殺されたはずの５人の内の１人なの。
彼女だけ助かったのは、その時その場所に予定外の招かざる客が現れたの。その人が彼女を助けて、今の時に飛ばしだの。｣

｢そんな…。時を飛ばす事なんて……はっ！｣

『無理なはず』と言うはずだったが、あの時に偽セリアだったセイレーンが言っていた人物なら…。

｢気づきましたね。そうです、その時に現れたのは、二度目の実験で時空に飛ばされたリアーゼです。｣

ただただ、呆気にとられるしかないデイル。それでもリーナは無視？して話を進めた。

｢彼女は、まさに殺されようとしているセリアの前に跳躍した。そして、瞬時に今の状況を判断して彼女を助けたの。
助けた後、そのまま村まで付いていったら、その村も襲われていた。
このままだと、また狙われると判断したリアーゼは、彼女に反唱魔法を示唆して、無謀にもそれを実行した。
そして、飛ばされる寸前にリアーゼは、彼女の能力を封印したの。｣

｢………｣

話が飛びすぎてるが、セリアが過去の人物である事は理解できた。ただ、納得できないものもあった。

｢何となく話は解ったが、質問いいかな？｣

｢えぇ。わかる範囲でなら。｣

｢まず、その後残されたリアーゼはどうなった？｣

｢反唱した後に、城から来た増援に取り囲まれてしまい、殺されてしまいました。｣

(やっぱり…)

デイルが気になっていたことが、確実になる。

｢最後に、何故リーナはその話をあたかも見ていたかの様に語るんだ？｣

その問いに一瞬だが表情を変えたリーナ。そして、それを見逃すはずがないデイル。

｢君が神族なのはこの間知ったが、それにしてはリアルに知りすぎている。いったいなにが起こってるんだ？｣

その問いにリーナは答えてくれなかった。