城門を抜け、サリトの森に続く道と「ペイルート」の南西にある街「ヤルマ」に続く道とに分岐している場所に着いた。この辺までは強い魔物は少ないが、それでもゼロではない。
日も暮れた頃にはそれなりの魔物も現れていた。しかし今回はその数が若干少なく感じた。前回確認がてら行ったときは昼間なのに今より多かったような感じである。
不思議には思いながらも彼らはサリトに続く道を歩み始めた。そしてそろそろサリトの森辺りに着いた時、不意に後方の森の中から声をかけられたのである。

「やはり行くのですね?」

人の声ではあったが、こんな場所に基本人はいるはずない。そのため、一気に臨戦態勢に突入した。そもそも敵はこちらを認識しているが、こちらは闇の性と不意打ちの為、かなり分が悪い状態である。それでも体勢を整えながら敵を認識しようと神経を張り詰めた。

「危険だからって言ってるのに…」

そう言いながら現れたのは、なんと酒場でデイルが必要以上に誘っていた人物であった。一瞬なにが起こったのか迷ったが、魔物が化けている可能性もあり、気を緩めるわけにはいかなかった。