グランドールのデイル。両手剣を武器にしているが、装備を軽装にする事によって尋常ではないスピードで相手を瞬殺する屈強な傭兵。その早業についた通り名が[疾風のデイル]である。
しかし、そんな彼が話しかけても彼女は無反応であった。仕方なく、さらに一方通行の会話を試みた。趣味や過去の話、今張り出されている依頼の話。どれを話しても反応が無い。さすがに諦めようと思った時、これまたこんな酒場に似合わない女性が店に入ってきてそのままデイルのそばまでやってきた。
「サリトの森について情報得たわ。かなり厄介な森のようよ。」
サリトの森。ぺイルートの南にある漆黒の森。判らずに奥深くに入り込んだ者は二度と戻れない迷いの森である。
彼らはその森の奥に住むといわれる魔物退治依頼を受けていたのである。
しかしこの会話に、今まで無反応だった彼女が初めて反応をみせた。
「あなた達、あの森に行くの?」
初めて聞いた彼女の声は明らかに少女の声で、先ほどまで帯びていた威圧感は無くなっていた。突然話しかけられた2人は一瞬声を失ったが、デイルは話すきっかけが生まれたのでここぞとばかりに話を始めた。
「俺らはあの森に住む魔物退治に来たんだ。君、あの森について何か知ってるのかい?」
森の話を聞いて反応したのだから、何か知っているのかと思い聞いてみたが、
「あの森には近付かない方がいいよ。」
そう、告げてきた。理由を聞いても訳は言わずただ行くなの一点張り。
「デイル、そろそろ行くわよ。みんなも街の入口で待機しているわ。」
「わかった。」
そう短く答えたデイルは去り際に、不思議な少女に一言告げて酒場を後にした。最後に告げた言葉…
「できれば一緒に行って欲しい。街入口で待つ。」
「…」
このようにして声をかけられることなどいつもの事である。だが、今回は何故かいつもと違った。いつもは見かけだけで判断し、下心一杯のバカな傭兵ばっかだったが、彼は瞬時に力量を量り、それ相応の対応に切り替えてきた。
それでも、過去には稀にその様な者もいた。でも、それでも会話をしたり、ましてやパーティーに加わることなどする事はなかった。なのに今回は違った。
(…彼がそうなの?)
何時までも騒がしい酒場、そこにあるカウンターに少女の姿は無かった。
しかし、そんな彼が話しかけても彼女は無反応であった。仕方なく、さらに一方通行の会話を試みた。趣味や過去の話、今張り出されている依頼の話。どれを話しても反応が無い。さすがに諦めようと思った時、これまたこんな酒場に似合わない女性が店に入ってきてそのままデイルのそばまでやってきた。
「サリトの森について情報得たわ。かなり厄介な森のようよ。」
サリトの森。ぺイルートの南にある漆黒の森。判らずに奥深くに入り込んだ者は二度と戻れない迷いの森である。
彼らはその森の奥に住むといわれる魔物退治依頼を受けていたのである。
しかしこの会話に、今まで無反応だった彼女が初めて反応をみせた。
「あなた達、あの森に行くの?」
初めて聞いた彼女の声は明らかに少女の声で、先ほどまで帯びていた威圧感は無くなっていた。突然話しかけられた2人は一瞬声を失ったが、デイルは話すきっかけが生まれたのでここぞとばかりに話を始めた。
「俺らはあの森に住む魔物退治に来たんだ。君、あの森について何か知ってるのかい?」
森の話を聞いて反応したのだから、何か知っているのかと思い聞いてみたが、
「あの森には近付かない方がいいよ。」
そう、告げてきた。理由を聞いても訳は言わずただ行くなの一点張り。
「デイル、そろそろ行くわよ。みんなも街の入口で待機しているわ。」
「わかった。」
そう短く答えたデイルは去り際に、不思議な少女に一言告げて酒場を後にした。最後に告げた言葉…
「できれば一緒に行って欲しい。街入口で待つ。」
「…」
このようにして声をかけられることなどいつもの事である。だが、今回は何故かいつもと違った。いつもは見かけだけで判断し、下心一杯のバカな傭兵ばっかだったが、彼は瞬時に力量を量り、それ相応の対応に切り替えてきた。
それでも、過去には稀にその様な者もいた。でも、それでも会話をしたり、ましてやパーティーに加わることなどする事はなかった。なのに今回は違った。
(…彼がそうなの?)
何時までも騒がしい酒場、そこにあるカウンターに少女の姿は無かった。

