それからホテルの名前と場所を教えてもらった。 「じゃぁ、待ってるから」 「うん、バイバイ。・・・・あ」 「何?」 そこで思い出した。 まだ、言ってなかったことを。 「ごめんね。まだ言ってなかったね」 「え?」 「お誕生日・・・おめでとう」 「・・・・・それは、ホテルで言ってほしいな」 そのまま、湊は笑ってあたしに背を向けた。 さようなら、湊。 大好きだった。 家に帰ってから、あたしはベッドで泣き崩れた。