当日──────────



「和樺!」



待ち合わせ場所で待っていると、手を振りながら湊が走ってきた。



「おはよう、湊」


「おはよう和樺。待たせてごめんな」


「ううん、あたしもさっき来たばっかだし」


「そっか、じゃぁ行こう」



湊はあたしの手をとると、歩き始めた。





あぁ、きっと手を握るのも今日が最後なんだろうな。



そう思うと、別れを言うのを躊躇ってしまう。




だって、気持ちがないのは湊だけで、あたしはまだ湊が好きだもん。




だけど、一方通行の愛なんて辛すぎるだけ。




だから、どんなに楽しくても、今日あたしは湊と別れるんだ。