ここでの生活にも慣れてきた頃、事件は古高俊太郎という人物を捕縛したことから始まった。









土方さんの拷問により長州浪士達の恐るべき計画が明らかになった。









「はぁ!?風の強い日を見計らって京の都に火を放ち、その隙に天守様をさらうだぁ?」







「……ホント長州の浪士って頭がどうかしちゃってるのかな」







「だよなぁ。その計画はいくら何でも無謀だろ…」








「そもそも長州の奴等は尊皇派じゃなかったっけ?天守様を誘拐って全然敬ってねぇじゃん」








「……古高の拷問、やっと終わったんですね」










古高の叫び声が止むことしばし、広間にはいつもの顔ぶれが集まっていた。








「おう神楽!!って、どした?なんか疲れた顔してるけど」








私に気づいた平助が声をかけてきてくれたのだが、答える気力も湧かない。








そりゃ、丸半日あんな叫び声を聞かされたら疲れますって…。