「じゃあ何で泣いてるの?」








その理由を素直に話せたらどんなに楽だろう。







だけど言えるはずない。







知られたくない。知られて拒絶されることが怖い。








こんなに深入りするつもりはなかったのに、気づけば私にとって新撰組は心の拠り所となっていた。







すると総司がぽつりと呟く。








「君が何かを隠してることは初めて会った時から何となく分かってたよ」








その言葉に驚きを隠せなかった。








「え…」








「神楽ちゃんが背負ってるもの、僕にも背負わせてほしいな」








そんなことを言われたのは生まれて初めてだった。








「……正直に話したら皆に嫌われるかもしれない」








「大丈夫、神楽ちゃんを嫌う人なんてここにはいないから。だから話してごらん」