月日が経つのは早いもので、私が屯所にやってきてからすでに一月になろうとしていた。







明日は満月…。








そのことを思うと普段はつかないため息が自然にこぼれた。








「わっ、総司!?」







するといきなり総司に抱きしめられた。








最近ではこうして総司に抱きしめられることにも慣れてきた気がする。








「どうしたの?」






「……それは僕の台詞だけど?」







言葉の意味が理解できず、聞き返してしまう。








「最近の神楽ちゃん、様子が変だよ?」







胸の内を見透かされている気がして肩がギクリと上下する。







「え…そう、かな?」






「うん。こうしてしっかり捕まえていないと、君が何処か遠くに行っちゃうような気がして…」







「何処にも行かないよ。第一、脱走は切腹でしょう?」








土方さんが決めた局中法度は破れば切腹。







荒くれ者をまとめていくためにはこれくらい厳しい隊規が必要ということだろう。








「うん、そうだったね…」







しかし総司は納得していないようで生返事をするだけだった。








「総司、そろそろ離して」







「ダメ…まだ離したくない。もう少しこのままで」