【帝サイド】







神楽に使いに出した後、私は深いため息をついた。








これから起こるであろう出来事に複雑な心境を隠せないまま旅支度をする。









私もつくづくお人好しだな。









でもあのコが幸せならそれでいい。









――たとえ君が私の想いに気づいていなくとも。









まあ神楽を幸せにする相手が私じゃないのは悔しいけれど。










「さて、そろそろ出発するかな」










何も言わず勝手にいなくなったら、また寂しい思いをさせてしまうかな?








……いや、あのコの隣には沖田さんがいるしそれはないか。








空を見上げると眩しいくらいに晴れ渡っていた。