「この術を使ったら最後、あの唐変木は妾のこともお前のことも忘れてしまうのじゃ」 「えっ?忘れちゃうの?」 「………」 “君や神楽のことを忘れてまで生き永らえたいと思わないよ” 今なら術を使わなかった母様の気持ちが痛いほど分かる。 私は結局、術を使ってしまったけれど。 「神楽、決して後悔のないように生きるのじゃぞ」 「はい」 ……後悔はしていないから自分の選択が間違ったものだったとは思わない。 だからこれでよかったんだよね。