最後の台詞はかなりドスのきいた声で言われた。
それだけ彼女のことが心配らしい。
「ええ。肝に銘じておきます」
「それじゃ私はこれで」
「最後に一つ。どうして僕の病が労咳だと分かったのか教えて下さい」
「……昔、あなたと同じ病で苦しんでいた人を見たことがあるからでしょうね」
そう語る帝さんの目はなぜか遠くを見つめていた。
そういえば神楽もかなり早い段階で僕の病に気づいていたようだったし。
その苦しんでいた人っていうのはもしかして…。
「神楽のお父さんも労咳だったんですね?」
「……はい」
「帝さん。僕は病に負けるつもりなんてありませんから」
「ええ。きっとまたお会いしましょう」
そんな言葉を交わしながら僕は帝さんと別れたのだった。

