「お前からもお礼を言いなさい」 私は帝の顔を見据えながらはっきりと自分の気持ちを告げる。 「帝。私はまだ帰らない」 付き合いが長いこともあって、この一言で彼は何かを悟ったようだった。 「……その様子では何かやり残したことでもありそうだね」 その問いに私は頷く。 まだ帰れない。最後に一つだけ。 「そうか。それなら仕方ないな。また日を改めて出直すことにしよう」 まだここにいられることに内心ほっとしている私がいる。 自分の往生際の悪さにはつくづく呆れて物も言えない。