やっと着いた…ここが京の都。







江戸とはまた違った賑やかさを見せる町並みを歩きながら





――私、西崎神楽は長旅で疲れた身体を休めるため甘味処を探していた。








そう、私は京の者ではない。理由(ワケ)あって江戸から京までやってきたのだ。









「女将~、あんみつ…「おい小娘、何しやがる!?」







手頃な店を見つけ、暖簾をくぐったまでは良かったのだけど…私の声は浪士らしい男によってかき消されてしまった。








(何ですか、この雰囲気…)








店の中はシンと静まり返っていて男の怒鳴り声だけが響いている。