私はまた社会科準備室の前にいた。
今日はちょっと寄るだけ。
図書室に行く予定だから。

「せ〜んせっ!」

声をかけながら顔を覗かせる。

「矢野さん、いらっしゃい。」

先生は笑顔で迎えてくれる。

「先生、見て!」

私は手に持っていた本を先生に見せた。
その本は少し前に流行っていた携帯小説だ。