覆面を脱ぎ捨てた代わりにいつものサングラスをかけて。

下平アルベルト学園長は微笑む。

若干三十代にして、この天空宮学園の学園長に就任している彼。

拳闘と黒魔法のスペシャリストで、その実力は天空宮市全体を見回しても1、2を争う。

「悪ふざけのつもりはなかったんだよ」

いつもの温和な語り口で、私に言う学園長。

「ただ…生徒達ばかりにいつもテストを強いるのは悪いだろう?その生徒達を教え導き、守る者として…天空宮学園教師諸君にも、時にはテストで気を引き締めてもらわないとね」

あぁ…そうか…。

私は携帯電話を取り出して日付を確認する。