「お兄ちゃん!」 「愛未ちゃん、お薬を先に飲んで。」 看護師は、いつもの幻覚症状を軽くかわして薬の入ったコップ差し出す。 「侑菜……迎えに、来たの?」 微笑み涙を流す。 「愛未ちゃん。はい、どうぞ。“お兄さんが飲むように”って。」 看護師は、裏技を使う。空を見ていた少女は、ゆっくり看護師を見つめる。 「…お兄ちゃん、が?」 看護師は、頷く。途端に笑顔を向けてコップを奪い口にする。 「んっ、ん、ん、、、」 獣のように飲み干した。