若干ショックでよろけながら 高くそびえる校門をくぐろうとするその後ろ姿を 風間哲也は見続けていた。 目付きは悪いが 黒髪の映える漆黒の瞳と すっきりした鼻筋、 薄い唇は今時の男らしく、 その見入っている姿は睨んでいるようにも 見とれているようにも見えた。 しかしながら本心はまだ誰にも図れない。 「………つーか…普通男の拳、片手だけで受け止めるか……?」 .