あと0.5秒で声をかけようと思うくらい近づいたと思ったら
突然の低い声。
(…え、私?)
思った瞬間。
ヒュッ
すぐ目の前まで迫る拳。
余りの早さに驚きつつ、
咄嗟に自分の左の手の平で顔面をガードする。
こういう反応は習慣だ。
「…………あ…?」
「………っビックリした…」
なんで自分に拳が飛んできたのか理解できず、
頭のなかが『???』だらけ。
「…!おわっ!おまえっ!!」
(…よくわかんないけど、人違い?)
「お、おはよー。君、3-Bの生徒だよね?」
「………だったら?」
(わーぉソークール!!でもめげない!!)
「今日も授業あるし、よろしくね。名前は?」
「……風間」
「よろしくね!」
「さっきも聞いた」
「…スミマセン」
(なぜ謝る自分!!)
「じゃっ、じゃあ、私先行くねっ!また後でっ!!」
「…」
MU-SHI!!
めげるな私!!!
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