ついに一睡もせず朝を迎えてしまった。

不眠症で悩む私だがこんなに不安で眠れなかったのは久々だった。



嫌みなくらいにまぶしい朝日が差し込んできた。


あたしはカーテンを閉めた。



{普通の人ならこの朝日に気持ちよさを感じるのだろう。}



あたしにはうっとおしくてしかたなかった。



この日高弘からの連絡は一度もない。


こんなことは高弘と出会ってからはじめてだった。


{あ~あ。嫌われたかな。}


そりゃそうだ。いきなり電話して、しつこく会いたいなんて言ったら、

誰でもうざい女だと思うだろう。



でも…


{12時まで待とう。}


12時になって高弘に電話してから丸一日たっても連絡がなかったら諦めよう。


そうすれば落ち込むのを少しでも遅らせれる。