それから毎日高弘からメールが届いた。


「おはよう」



「今日は外回りだよ」


「お昼は、ハンバーガーだった」

{全部ひとことメールだよ}

でも


高弘から届くそのなんでもないメールを見るのが唯一の楽しみ。


あたしは仕事を休んでから、


毎日病院とアパートの往復だけで、食事もろくにとらずに過ごした。


友達や会社の人からの連絡も日に日に少なくなった。



そんな私にとって高弘のくれるメールは


真っ暗なトンネルをたまにまぶしいくらいのライトをつけて通る車のようだ。


だけど通りすぎればまた暗くなる。