プルルプルル


「もしもし」



『もしもし高弘?』


『会って話がしたいの』

「わかった。今から行く」


高弘は仕事を抜け出してすぐに来てくれた。



[朱莉、俺も話がある]

[先に話していい?]


{高弘が言いたいことはわかっている]


{うん。}


[もう死のうとするのは止めてくれ。]

[リストカットも止めてくれ。]


[今回のことは、俺が悪い。]


[朱莉をすごく不安にしたのもわかってる。]


[でも朱莉が傷つくのは嫌なんだよ]



[朱莉が死ぬなんて考えられない]


[朱莉が俺と別れることになっても朱莉には生きててほしい。]


[俺が朱莉のこと傷つけといて、勝手なこと言ってるのはわかってる。]

[俺、美里と別れて、自分で予想してた以上にへこんで]


[でもいつまでもへこんでるのは格好悪いから、わざと明るくふるまって]

[朱莉以外の女の子もたくさん紹介してもらって、遊びに行ったりしてた]


[でもなんか疲れるだけで全然楽しめなくて、毎日がこんなにつまらいなんて思わなくて]


[男のくせに情けないって自分でも思うくらいで]

[でも朱莉にあって、今まで紹介してもらった女の子達とつきあいたいなんて思わなかったのに]