病室のかたづけをして


病院を出ると強い日差しが照りつけていた。



{もう真夏だな~。}



私は家まで歩くことにした。


途中コンビニでかき氷を買った。



{あ~本当に暑いな~。}


ミーンミーン


{セミの声が余計暑さを感じさせる}


【ねぇねぇあたし明日誕生日なんだあ。】


私の前を歩く女子高生が言った。


【そうなんだあ~。】


【夏生まれは親不孝なんだよ~。】


【え~。そうなの?】





私も夏生まれで昔同じことを言われたことがある。


夏に生まれる出産が大変だかららしい。



私も親不孝だったんだあ。




【あ、お母さん。】


【お帰りなさい。真理子。】

女子高生のお母さんが向かえに来た。



【お母さん。】


【友達が夏生まれは親不孝だって。】



【あはは。】


【そうね。夏に出産は大変だからね。】


【あなたの時は、とくに難産だったから苦労したわ】


【そうなの?】


【そうよ。】


【でも苦労してでも産みたかったのよ。】



【大好きな人の子だったし、あなたに会いたいから産んだの。】


【苦労した分、生まれた時すごく嬉しかったわ】


【だから暑さや苦労なんてふっ飛んじゃったわよ。】