[俺、先に風呂はいっていい?]


『いいよ。』


私は飽きずにまたケツメイシの曲を聞いた。


あ、でも考えてみればこの歌別れの歌なんだよね~。


でも二人がはじめて一緒に聞いた曲だから、

まあいいっか。



{別れの曲も高弘と聞けば楽しい曲になる。}

私はノリノリで歌った。

バスルームから高弘の笑い声が聞こえる。


声が聞こえてるのだ。


ピリリ


高弘のメール音が鳴った。


高弘呼んだほうがいいかな?


ふいにケータイのディスプレイに目をやると



美里


それは高弘の元カノだった。


高弘から直接聞いたことはない。


ただ前に高弘の友達に名前だけ聞いた覚えがある。


なんで別れたかも知らない


私は今までこういう場面で元カレのケータイを見てしまったことがなんどかある、


でもたいてい見ると見なきゃよかったと思うことばかりだった。


見ちゃいけない。


そう自分にいい聞かせた。


高弘にかぎってやましいことなんてない。



でも…



やましいことがないと思うなら見ても大丈夫かもしれない。


そう思った。


{心臓が大きな音を立てる}