また昔を思いだして落ち込んでしまった。


{もうこのまま一生の眠りにつきたいな。}


また1人ごと。

ザーザー


追い打ちをかけるように雨が降る。


プルル



「もしも~し」






「もしもし朱莉ちゃん?」


高弘?


「もしも~し」


あたし近くにあったウーロン茶を飲み干した。



「もしもし」


「あ~よかった。起きてた?」



「あ、うん」


「あのさ、今から会いに行っていい?」


「え、」


「昨日はごめんね。行けなくて。

でも俺も朱莉ちゃんに会いたいから今から行ってもいいかな?」



「あ、うん。」



「じゃあ今から行くね。」


{あ~どうしよう。}



そしてもうすぐ夏だというのに長袖を着た。



腕には多数の傷があるからだ。


私はリストカットに溺れていた。



{だから夏でも半袖は着ない。}


{あ~時間がないよ。}

高弘なの家からアパートまで10分かからない。